令和6年の立命館大学福井県校友会「校友の集い」では、現役立命館大生による「福井県の観光」についての研究発表があり、学生らしい視点から、交流人口を増やしていくための方策を提言いただきました。
発表を行ったのは、立命館大校友会が基金を募る「未来人財育成基金」の「奨励金」を受給し、研究活動をしている文学部3回生の谷口昂輝さん(福井市出身・高志高卒)、柚山道明さん(松山市出身)、劉思鋭さん(中国出身)。3人は地理学専攻で、福井県が公表している200項目近くある「オープンデータ」を活用し、交流人口、特に県外観光客を増やすためにどうしたらいいのか研究しました。
大学の研究でも使われている「GIS(地理情報システム)」を使った分析では、さまざまなデータを福井県の地図に落とし込んで可視化。県内の観光スポットが分散・集中していないこと、宿泊施設が海岸線沿いに多いこと、主要駅から観光地のアクセスが良くないことなど課題を挙げました。
また、文書や文章から頻出語や特徴語を抽出する「テキストマイニング」技術を活用し、1年間に県外客から寄せられたフリーコメント1万8千件を分析。多くの人が「駐車場やトイレが少ない」「アクセスが悪い」「飲食店の閉店時間が早い」といったことを、福井の観光で不満に感じていることを紹介しました。
これらの分析を基に、①観光地の基本設備の整備(駐車場の拡張やトイレのバリアフリー化など)②観光スポットを結ぶ周遊バスの運行③新幹線利用客への交通機関共通割引チケットの導入を提案しました。
参加者は、後輩の学生たちの発表に熱心に耳を傾け、盛んな拍手を送っていました。また、県市町の職員も多数おり、政策作成の参考になるのではないでしょうか。
発表した学生の皆さんは、その後の交流会にも出席し、青年部の若い校友と親睦を深めていました。 (川塚康弘1987・法)