会報りつめい291号 デジタルブック
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み広島県呉市、瀬戸内海に浮かぶ三三み宅やけ 紘こう一いち郎ろうAUGUST 20232AUGUST 2023No.29112116立命館の研究者たちfromRADIANT18思い出のあの場所192023年度立命館大学校友会幹事会報告20つながる、ひろがる校友会~校友会ネットワーク~/校友会未来人財育成基金22学生の活躍03巻頭特集特別対談02輝くひと06オール立命館校友の集い2023のご案内07特集食の可能性を広げる12RITSUMEIINTERVIEW会報と大学・校友会の最新ニュースをメールでお届けします!編集室から立命館大学校友会報「この地でなければつくれないものをつくりたい。それがブランドになると思いました」親族の多くが酒造関係という家に生まれた三宅さん。高校生になる頃には漠然と「将来は日本酒に関わる仕事をしたい」と考えていた。立命館大学に入学したのは、中国経済が熱を帯びて成長していた時期。エネルギーがあふれる街を見て「中国で日本酒を売ったら面白そうだな」と興味を持ち、1年間、上海交通大学に留学した。一方で、他大学の学生と立ち上げた「日中学生交流団体freebird」の活動にも熱心に取り組んだ。「皆が集まると、一人ではできないことができる。その感覚をつかんだことが、今につながっています」。卒業後は上海で9年間、日本酒を売り歩いた。そこで痛感したのが「ブランド」の重要性だった。農薬も化学肥料も用いないナオライのレモン畑には、多様な植物が茂り、土壌には多くの微生物が生息する。「土壌が複雑なほど、そこで育つレモンも豊かで芳醇な香りがするんです」と目を輝かせる三宅さん。「最初はただ日本酒を造りたい一心でしたが、やればやるほど自然や環境のこと、地域や社会に対する問いが深くなってきました」。今では、酒造りを通じて地域活性化に寄与したいという思いを強くしている。ローカルを突き詰めるほど、それがブランドになり、グローバルにつながっていく。その手応えもつかみつつある。2020年、ナオライ二作目となる新商品「浄酎」を発売した。「低温浄溜」という特許技術で日本酒をさらに蒸留し、香りと風味を凝縮した新しい酒だ。「日本酒の数だけその個性を生かした“浄酎”を造れます」と言う三宅さん。この技術で全国に数 ある日本酒の価値を高め、低迷している酒蔵の再生に貢献できればと考えるようになった。「いずれは各都道府県に一つナオライの『浄溜所』を構えて、その土地でしかできない酒を造りたい。ご当地ごとに世界につながるブランドをつくり、地域に貢献することが大きな目標です」。地域に根を張りながら、日本全国、そして世界を見据えている。 ナオライ株式会社 代表取締役三宅 紘一郎さん一般社団法人日本コナモン協会 会長 熊谷 真菜さんかど角島。人口20名余りの離島に本社を構え、 ナオライは特産のレモンを使ったスパークリング酒「MIKADO LEMON」「琥珀浄酎」などの酒のブランドを展開している。代表取締役の三宅紘一郎さんは、温暖な気候と豊かな自然が育む島のレモンに惚れ込み、オーガニックレモンの栽培から手掛 けている。食マネジメント学部 吉積 巳貴 教授 「『食』が拓く地域の未来」 撮影:岡田 一也ナオライ株式会社 代表取締役(’07経済)Present■PROFILE広島県出身。2007年、経済学部卒業。在学中に上海 交通大学に交換留学し、卒業後も上海にて日本酒 販売に従事する。2014年に帰国し、2015年、ナオライ 株式会社を設立。2017年、スパークリングレモン酒 「MIKADO LEMON」を発売。2020年に「浄酎」、2021年には「琥珀浄酎」をリリースした。立命館大学生命科学部の若山守教授との共同研究により、発酵技術を生かした新商品を開発中。アンケートにご協力いただいた方に抽選でプレゼントをお贈りします!24キャンパストピックス283.11復興への願い/29立命館オンラインセミナーのご案内30INFORMATION掲載内容は2023年6月時点のものです。(一部特記箇所を除く)デザイン・ディライツ広告事務所さん輝くひと立命館大学校友会前会長×新会長人と自然、地域を醸す酒造り。

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