校友会報「りつめい」No.283(2021 JANUARY)
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がした‼JANUARY 202115海外 40代が持っている良いところを大事にする社会にしていかなければならないと思います。例えばGoogleの採用条件は「今どんな仕事をしているか」「過去に何をやったか」「将来何をしたいか」の三つだけだと聞きます。「個性は性差を超える」、これが世界のスタンダードです。出口学長と司会のオール立命館校友大会2020実行委員の佐伯祐左さん(’95院理工)Q4人口減少や少子高齢化、コロナ時代の新しい スタンダードの下で、現役を引退せざるを得ない私たちが社会に貢献するためのヒントは? 関西 50代A4「現役引退」という考えそのものがおかしいと僕は思います。皆さん、動物が引退するのを見たことがありますか? 人間も動物です。新卒一括採用・終身雇用・年功序列・定年退職がワンセットになった労働慣行は、人口増加と高度成長を前提に成り立っていたもので、いずれ壊れていきます。高齢社会の理想は、年齢に関係なく誰もが元気に活躍する社会です。健康に長生きするための一番の秘訣は、働くこと。仕事でもボランティアでも何でも良い。「現役」「第二の人生」などと考えずに、いくつになっても好きなことをやっていただきたいですね。Q5なぜリベラルアーツが必要か? それによって何が関東・甲信越 40代得られるのか? 分かりやすく教えてください。A5僕は、世の中で正しい理論は極論すればアインシュタインの相対性理論とダーウィンの進化論しかないと思っています。ダーウィンの理論を簡単にいえば、強いもの、賢いものが生き残るとは限らない。何かが起こった時の適応力が問われるということです。例えば大震災が起こった時、過去の東日本大震災について勉強した人の方が生き残る確率は高くなるでしょう。このようにリベラルアーツを学ぶことは、人間が過去に蓄積してきたケースを勉強することです。役に立つかどうか分からないけれど、いざという時、学ばなかった人より生き残りやすくなる。これが勉強する理由の全てです。もう一つ言えば、勉強することで人生の選択肢が増える。それは、人生を楽しむことにつながります。Q6「ついていきたいと思われるリーダーになる方法」 として「決して逃げない、あるいは何事が起こっても結果責任を取る」と出口学長の著書にあります。その覚悟を決めるために心がけるべきことを教えてください。関東・甲信越 40代A6一番大事なことは、諦めることです。管理者は何か起こった時、自分は知らなくても責任を取る、また部下が何をしても引っ張っていくのが仕事です。誰もが初めから覚悟やモチベーションを持っているわけではありませんが、逃げられないと分かれば諦めて、あとはやるしかありません。やり方は人それぞれ。正解はないので試行錯誤してください。不得手なことはチームのメンバーに助けてもらえばいい。僕も難しいことが起こったら、大学のスタッフに「教えて」「どうしたら良いか知恵を出して」と頼んでいます。そう考えて、気楽に頑張ってください。Q7仕事を行う上で決めているご自身のルールや 大事にしている考え方は? A7第一に大切にしているのは、「正直であること」です。自分の気持ちに正直に、本当に思っていることしか言わないと決めています。次に、「目的を明確にすること」です。僕は仕事より友達とご飯やお酒を楽しむことの方が好きなので、仕事は最短時間で終わらせたい。そのためには何のためにこの仕事をするのか、誰がどのような場面で使うのか、目的をきちんと確認することが大切だと思っています。最後の三つ目は、「スピード」です。人に与える影響力の大きさは、物理の原理と同じで質量×速さです。質量、つまり人間の能力に大きな違いはありません。それなら速い方が相手に対する印象は良くなります。2020年10月18日、「オール立命館校友大会2020」を「Good Way, Good Day ―どこからでも、つながる、ひろがる―」のテーマのもと、日本全国、そして世界の10以上もの国・地域から、校友大会史上初のオンラインで開催。校友をはじめ多くの方々が参加(視聴)しました。

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